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碧南市民病院 |
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耳鼻咽喉科 |
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○岩田義弘 平野光芳 |
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脳神経外科 |
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纐纈直樹 寺田幸市 |
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主 訴 左聴力低下、違和感 |
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既往歴 特記事項なし 喫煙・飲酒歴なし |
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現病歴 平成17年3月21日旅行中に左耳の急速な聴力低下と、耳鳴り、耳閉塞感を生じ、家人に連絡。当日帰宅後緊急外来を受診。感冒など先行感染症の既往なし |
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家族歴 得記事項(遺伝性家族性難聴)なし |
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両鼓膜 わずかな発赤、鼓膜の肥厚 |
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鼻・咽頭 発赤・腫脹など異常所見なし |
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心電図、胸部単純レントゲン 異常なし |
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採血結果 |
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WBC 7200 RBC 542万 Hg 16.8g/dl Ht 47.5% Plts20.3万 |
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T.P. 7.5g/dl T.B.1.1 AST(GOT) 19 ALT(GPT) 16 血糖 97 BUN 14mg/dl Cr 0.9mg/dl Na/K/Cl 141/4.2/103 mEq/dl |
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H1N1 ×320 H3N2 ×80 HSV CF ×16 |
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急速な 聴力低下=急性感難聴 |
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鼓膜など異常なく、また 合理的に難聴をきたす先行疾患はみられず。 |
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また 中内耳疾患の否定 |
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症状のくりかえしは現在のところ否定 |
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左突発性難聴 |
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安静入院 |
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点滴 ステロイド(ソルコーテフ300mg/日暫減) |
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ビタミンB12、ATP、 |
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プロスタグランディン製剤点滴 |
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高圧酸素治療 |
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星状神経節ブロック |
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厚生省研究班の診断基準
1)主症状 |
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1.突然の難聴 即時的な難聴、または朝覚醒時に気付く難聴。 |
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2.高度な感音難聴 必ずしも高度である必要はない。 |
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3.原因が不明、または不確実 原因が明白でないこと。 |
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2)副症状
1.耳鳴り 難聴発生と前後して耳鳴りをみることがある。
2.めまい、および吐き気、嘔吐
難聴発生と前後にめまい、吐気、嘔吐を伴うことがある。 発作を繰り返すことはない。 |
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[診断の基準]
確実例 : 主症状、副症状の全事項をみたすもの。
疑い例
: 主症状の1.および2.の事項をみたすもの。 |
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[参考]
1.Recruitment現象の有無は一定せず。
2.聴力の改善、悪化の操り返しはない。
3.一側性の場合が多いが、両側性に同時罹患する例もある。
4.第VIII脳神経以外に顕著な神経症状を伴うことはない。 |
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頻度 |
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1993年に厚生省研究班を中心に行った調査では、突発性難聴の全国受療者数は推定、年間24,000人で、人ロ100万人対で192.4人でした。 |
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2001年の調査では、全国受療者数は推定、年間35,000人で、人ロ100万人対で275.0人と増加しました。 |
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内耳梗塞 |
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メニエール病(めまいの無いものも含む) |
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内耳炎(細菌・ウイルス) |
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聴神経腫瘍 |
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治療に反応するもの |
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難聴の程度が軽い |
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耳なりが無い、少ない |
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めまいを伴わない |
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低音障害型難聴 |
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基礎疾患がない |
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治療に抵抗するもの |
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高度難聴 |
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耳鳴りが大きい |
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めまいをともなう |
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水平型、高音急墜型 |
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糖尿病 高血圧を伴う |
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2気圧の100%酸素ガスの空間に患者をおくことにより、赤血球以外の体循環液に酸素を飽和させ、体組織に十分な酸素を供給し治癒を促進する方法 |
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18歳 男性左高度突発性難聴の症例を示した。 |
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高度難聴を初発として治療抵抗性が予想されたが、発症初日からの治療や、PGE1製剤、また高圧酸素治療をおこない、発症15日で左右同等まで聴力の改善を得ることができた。 |
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