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睡眠時間が短いと食欲を刺激するホルモンの量が増えるとする論文を米国の2つの研究チームが7日までに発表した。睡眠不足が肥満の一因になっている可能性があるという。 |
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スタンフォード大のチームは30−60歳の約1000人を対象に普段の睡眠時間と血液中のホルモン量を調べた。5時間睡眠の人は8時間睡眠の人に比べ、食欲を刺激するグレリンが15%多く、食欲を抑えるレプチンの量は16%少なかった。 |
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対象者全体の約7割を占める睡眠時間が8時間未満の人に限ると、睡眠時間が短いほど肥満度は高かった。 |
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シカゴ大のチームは20代の男性12人について2晩連続で4時間寝た場合と10時間寝た場合のホルモン量を比較。4時間睡眠の後はグレリンが増えてレプチンが減り、空腹感が強まっていた。 |
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スタンフォード大のチームは「先進国では慢性的睡眠不足が増えており、食べ物は簡単に手に入る。肥満が増えてもおかしくない」としている。((共同) |
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「肥満」とは脂肪が脂肪組織に過剰に 蓄積した状態 |
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WHOの基準 |
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Body mass index(BMI) |
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BMI≧25kg/m2 体重超過 |
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BMI≧30kg/m2 肥満 |
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閉塞型睡眠時無呼吸 |
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Obstructive SAS |
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中枢型睡眠時無呼吸 |
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Central SAS |
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混合型睡眠時無呼吸 |
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1時間当たりの無呼吸の回数を無呼吸指数(Apnea Index、略してAI) |
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1時間当たりの換気が50%以下に低下する回数を低呼吸指数(Hypopnea Index、略してHI) |
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上2つを足して 無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index :AHIと略) 言う |
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比較的多い疾患 |
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米国30歳から60歳の疫学調査で |
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無呼吸低呼吸指数 AHI 5/時間以上 |
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男性: 24.0% 女性9.0% |
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無呼吸低呼吸指数 AHI 15/時間以上 |
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男性: 9.1% 女性4.0% |
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気道の狭窄 : 機能的問題 |
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咽頭を支える筋肉の緊張が低下すると 気道が狭くなる。 |
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でも、呼吸筋(大隔膜筋)は強く呼吸 |
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結果相対的 狭窄 |
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Ex 飲酒、睡眠薬の服用 |
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気道の狭窄 : 閉塞型 |
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上咽頭・鼻腔 |
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形態:鼻中隔彎曲、肥厚性鼻炎 |
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アレルギー性鼻炎、咽頭炎 |
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軟口蓋肥大 |
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顔面骨発育不良 |
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肥満による脂肪沈着 |
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中咽頭 |
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下咽頭 |
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上咽頭・鼻腔 |
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中咽頭 |
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扁桃肥大、口蓋垂肥大 |
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巨舌(甲状腺機能低下、 アミロイドーシス) |
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小顎症、下顎骨後方偏倚 |
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舌骨の後方偏倚 |
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肥満による脂肪沈着 |
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下咽頭 |
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肥満による脂肪沈着 |
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頸部伸展または屈曲 |
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重症OSASでは・・・ |
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AHI(無呼吸+低呼吸)30/hでは一晩8時間の睡眠で 240回の睡眠、気流停止、覚醒反応、呼吸再開、入眠を繰り返す。 |
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OSASでは・・・ |
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皮下脂肪量より内臓脂肪量の方が多い。 脂肪細胞数は変わらず脂肪組織量の増加状態。 |
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睡眠不足からカロリー消費より摂取量の増大 |
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欧米人において肥満はOSASの強い危険因子 |
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日本人AHI20以上の重症OSAS例5000人のうち、 約30%がBMIが25未満 |
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現在のところ 日本人は欧米人に比べ肥満の寄与は少なく、むしろ小顎症や顔面の形態異常が問題 |
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食生活の欧米化ことにカロリー摂取の増加に伴いこの傾向は欧米より悪化することが予想される。 |
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病態は 呼吸障害と睡眠障害 |
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覚醒時の症候 |
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睡眠時の症候 |
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全身合併症 |
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覚醒時の症候 |
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日中過眠、記憶力低下、集中力低下、起床時の爽快感の欠如 ex 山陽新幹線居眠り運転 |
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起床時の頭痛 睡眠時の高CO2血症のにより頭蓋内圧亢進 |
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性欲低下・インポテンツ |
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性格変化・抑うつ状態 社会的不適応による? |
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睡眠時の症候 |
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睡眠中のいびきや呼吸停止 |
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異常体動 |
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中途覚醒 |
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夜間頻尿 :胸空内圧陰圧によりANPの分泌増 |
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合併症 |
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多血症 |
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高血圧 |
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不整脈 |
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虚血性心疾患 |
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脳循環障害 |
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糖尿病 |
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肺高血圧症 |
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突然死 |
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合併症 |
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多血症 |
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高血圧 |
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不整脈 |
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虚血性心疾患 |
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脳循環障害 |
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糖尿病 |
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肺高血圧症 |
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突然死 |
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合併症 |
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多血症 |
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高血圧 |
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不整脈 |
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虚血性心疾患 |
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脳循環障害 |
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糖尿病 |
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肺高血圧症 |
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突然死 |
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米国睡眠医学会(AASM) |
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「日中過眠もしくは閉塞型睡眠無呼吸に起因する様々な症候のいくつかを伴い、かつAHI≧5」 |
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5≦AHI<15 軽症 |
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15≦AHI<30 中等症 |
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30≦AHI
重症 |
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頻回の睡眠時無呼吸 |
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強度のいびき |
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日中過眠 |
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肥満 特に男性、高血圧、虚血性心疾患不整脈、 糖尿病をゆうする例 |
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上気道の形態異常 |
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心不全に伴う周期性無呼吸 |
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睡眠中の行動異常 |
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高度の不眠症 |
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睡眠潜時の短縮 |
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薬物の服用 |
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周期性四肢麻痺(PLMD) |
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交代勤務(夜勤のある仕事) |
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ナルコレプシー |
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上気道抵抗症候群 |
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GERD(胃食道逆流症) |
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睡眠に関連した喉頭痙攣 |
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抑鬱などの精神疾患 |
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睡眠時無呼吸の診断 |
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携帯型PSG 気流を測定するための温度センサー(サーミスタ)、いびきを測定するマイク、パルスオキシメーター等を装着して無呼吸を検知します。ただしこの検査では睡眠の深さや覚醒に関する情報は得られません |
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終夜睡眠ポリグラフ検査(ポリソムノグラフィー、PSGと略します)は睡眠と呼吸状態を総合的に評価する検査です。簡易検査の項目に加え、脳波や筋電図・眼球の動き等を測定することにより睡眠に関する情報を呼吸状態の詳細とあわせて、定量的に測定します。 |
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Heらの研究(Chest 94:9-14, 1988)は、246名の無治療のOSAS患者をAIが20以下の軽症群(n=142)とAIが20以上の中等症以上の群(n=104)に分け、累積生存率を検討。AI20以上の中等症以上の群では明らかに生存率が低く8年後には平均63%でした(下図)。 |
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1)生活習慣の改善 |
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減量: 減量により気道狭窄が減る。 |
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飲酒の制限: |
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精神安定剤の服用の制限: |
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禁煙: 喫煙は血中の酸素を低下させ、睡眠中の無呼吸に悪影響を与える可能性があります。 |
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睡眠中の体位の工夫: 仰向けに寝ると重力による舌根沈下により気道を閉塞しやすくなる。 |
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2)保存的治療 |
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鼻CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法) |
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鼻CPAP療法とは右図のように専用のマスクを装着気道内に陽圧をかけて気道の閉塞を防ぐことにより無呼吸を治療します。 |
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3)外科的治療 |
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気道閉塞の原因がアデノイドや扁桃の肥大であると明らかな場合や、他の治療方法がうまく行かない時には耳鼻咽喉科的な手術が必要となることがあります。 |
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4)歯科装具による治療 |
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歯科装具(スリープスプリント)を睡眠中に装着することで舌や下あごを前方に固定して舌の後方の気道スペースを広げ気道の閉塞を防ぎます |
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体重10%増加 → AHI 32%上昇 |
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体重10%減量 → AHI 26%低下 |
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間接的効果(日常生活改善による) 日中の眠気や倦怠感・QOL(Quality
of Life)の改善 ↓ 食事・運動療法・ダイエットへの意欲向上 |
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直接的効果(生体機構に与える効果)
深睡眠を得る事による成長ホルモンの分泌能力の上昇 ↓ 脂肪分解能の改善
内臓脂肪量の減少
インスリン抵抗性の改善 など |
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肥満は睡眠時無呼吸を引き起こす |
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睡眠時無呼吸は生活習慣病を悪化させる |
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日本人はOSASを起こしやすい |
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肥満とOSASを合併すると体重は減りにくい。n-CPAPなどで 睡眠の質の改善を必要とする |
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OSASは放置すれば生活習慣病は悪化し、 治療をすれば生活習慣病も早く改善する。 |
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